新年最初はマラコ・レコード時代のボビー・ブランド
ON AIR LIST
1.Members Only/Bobby Bland
2.In The Ghetto/Bobby Bland
3.That’s The Way Love Is/Bobby Bland
4.Stormy Monday/Bobby Bland,Johnnie Taylor,Bobby Rush
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ちょっと間が空いてしまいましたが、スタンダップ・シンガー特集ボビー・ブランドの4回目です。
ギターとかピアノとかハーモニカとか楽器を演奏しないで歌だけ歌うブルーズマンをスタンダップ・ブルーズシンガーと言いますが、ボビー・ブランドはその代表的なブルーズマン。2013年に83才でなくなるまでブルーズ・シンガーとしての風格と威厳があった人でした。
80年代にマラコ・レコードに入ってからは南部の同胞黒人たちに向けたダウンホーム感のあるブルーズで人気がありました。
ジョージ・ジャクソン、トミー・テイト、ジーター・ディヴィスなど優れたソングライターたちによって書かれた曲をマラコレコードの腕利きミュージシャンたちで録音しリリースしました。今日の最初は1985年の名作”Members Only”からそのタイトル曲
「メンバーズ・オンリーのプライベートなパーティなんだ。金もいらないしチェックブックも必要ない。持ってくるのは君の傷ついた心だけだ。今夜はメンバーズ・オンリーなんだよ」とぐっと泣かせる歌詞です。
1.Members Only/Bobby Bland
この曲をカバーして歌う人が多いのですが、やっぱりブランドのように歌手として懐が深くないとシンプルな曲だけに安っぽく聞こえるんですよね。簡単に歌えるようですが難しい歌です。
次の曲もブランドの深い歌声だから説得力があるという曲です。
貧しい黒人たちはじめマイノリティたちが住んでいるゲットーについて歌ったこれもいい曲です。
2.In The Ghetto/Bobby Bland
ボビー・ブランドは2003年のアルバム”Blues At Midnight”までマラコレコードに在籍してコンスタントにアルバムを発表しました。その11枚のアルバムの中には”Live On Beale Street”というブランドの唯一のライヴ・アルバムがあります。長いキャリアの中でライヴ・アルバムはB.B.キングとデュエットしたものだけで単独のライヴ・アルバムはこれ一枚です。
彼はいつもホーン・セクション入りのバンドを抱えてしっかりしたアレンジがされたサウンドの中で自分のブルーズを歌い続けてきました。盟友のB.B.キングが白人聴衆も巻き込んで世界のB.B.となっていきましたが、彼は同胞の黒人聴衆から非常に強い人気があり黒人のサーキットを回るライヴも続けました。このライヴ・アルバムもメンフィスのビール・ストリートというかって若い頃にB.B.キングたちと切磋琢磨した街のクラブで録音が行われました。
今から聴くこの曲もその若き日に歌っていたでしょう。”Live On Beale Street”から
3.That’s The Way Love Is/Bobby Bland
このライヴに飛び入りゲストのような感じで参加しているのがジョニー・テイラーとボビー・ラッシュ。その二人をステージに呼んでブランドの十八番の一つであるStormy Mondayを歌っています。
ボビー・ラッシュはアーシーなミシシッピ・スタイルのハーモニカを披露しています。ジョニー・テイラーの歌が素晴らしく主役のボビー・ブランドに肉薄しています。
こんな風にブルーズで歌を交えてセッションできて高いクオリティを出せるというのもやはり歌の力を人一倍持っているシンガーたちだからできることです。これ歌の力がなかったら本当につまらないセッションだと思います。
4.Stormy Monday/Bobby Bland,Johnnie Taylor,Bobby Rush
昔、アメリカの黒人ソウル・フード・レストランに夜中行った時、ジュークボックスからMembers Onlyが流れてお客さんみんなで大合唱になったことがありました。この歌がいかにアフリカン・アメリカンの特に中年層の胸に響いているのかよくわかった時でした。
ずっと昔からボビー・ブランドの素晴らしさを言い続けているのですが今もギタリスト・ブルーズマンに人気がいく日本です。
新年一発目に改めてここに記しておきます「ブルーズは歌だ。ギターじゃない」
では今年もよろしくお願いします。Hey Hey The Blues Is Alright!