2026.04.03 ON AIR

中古盤放浪記vol.14

1968年シカゴの黒人ブルーズクラブのムードに浸れるマジック・サム渾身のライヴ

ON AIR LIST
1.Tore Down/Magic Sam
2.I Just Can’t Please You/Magic Sam
3.Scratch My Back/Shakey Jake
4.Backstroke/Magic Sam
5.Just Like A Fish/Magic Sam

久しぶりの中古盤放浪記です
このアルバムは以前持っていたはずなんだが、最近レコード棚から見つからないと思っていたら先日中古レコードで安く見つけたので買いました。が・・ひょっとすると前に買ったアルバムがまたレコード棚のどこかにあったりして・・・悪夢のダブりレコードかもしれませんが。
マジック・サムという名前だけでなんかワクワクする私ですが、マジック・サムはいつも100%出し切るようなライヴをしたブルーズマンだったと思います。今日聴く”Magic Touch”とタイトルされたアルバムは1968年にシカゴの”シルヴィオズ”と言うクラブでのライヴ録音なんですが、ここでもサムは実にパワフルな演奏を繰り広げています。アルバムの名義はマジック・サムと叔父のハーモニカ・プレイヤー、シェイキー・ジェイクふたりの名前になってます。ふたりは60年代に一緒にライヴをやることが多かったようでマジック・サムは音楽的な影響も受けています。
まずはシカゴの同年代で友達だったというフレディ・キングの有名曲のカバーから。

1.Tore Down/Magic Sam

このアルバム・ジャケットには1968年のライヴと記載されてますが、リリースされたのは15年後の1983年。録音したのがアメリカやイギリスのレコード会社ではなくベルギーのブルーズの録音マニアのジョージ・アディンスという個人です。多分シカゴまで行って簡単な録音機材で録ったんでしょうね。ブルーズがすごく好きで好きで自分の思い出みたいに録音しておいたんだと思います。次はソウルフルなマジック・サムの歌が聴けます。

2.I Just Can’t Please You/Magic Sam

次はルイジアナのスリム・ハーポの曲をシェイキー・ジェイクがカバーしている語り入ったインスト曲ですが、サムはかなり原曲に忠実にギターを弾いて原曲通りトレモロもかけてますね。こういうファンキーな曲がシェイキー・ジェイクもサムも好きだったのがわかります。語りは「ああ。痒い、痒い、背中を掻いてくれへんかベイビー。君やったらどこを掻けばええかわかってるやろ。ああええ感じや・・」これはエロい意味です。

3.Scratch My Back/Shakey Jake

このバンドはギターとヴォーカルにマジック・サム、ハーモニカとヴォーカルにシェイキー・ジェイク、ベースにマック・トンプソン、ドラムにオディ・ペインのコンボ編成です。60年代はこのメンバーでのライヴも多くて演奏がタイトでよくこなれていてすごくいいです。またこのあとデルマーク・レコードからリリーされたサムの有名アルバム”West Side Soul”も”Black Magic”もベースにマック・トンプソン、ドラムにオディ・ペインでの録音でしたから、これはほぼバンドと言ってもいいと思います。
次はサムのギターをフィーチャーしたインストでオリジナルはアルバート・コリンズ。原曲のコリンズにも劣らないテンションの高い演奏で魅力的です。

4.Backstroke/Magic Sam

サムは過去のブルーズや自分の感覚だけで演奏するのではなくてレコードやラジオなんかでいろんな音楽を身につけていたと思います。音楽的な範囲はかなり広かったと思うのですが、特に名シンガー、ジュニア・パーカーからも多くを学び取ったと思います。マジック・サムは有名なブルーズのスタンダード”Sweet Home Chicago”を歌っていますが、あれもジュニア・パーカーの”Sweet Home Chicago”をお手本にしたと思います。
ジュニア・パーカーやボビー・ブランドなど歌の上手いブルーズマンが好みだったと思います。よく伸びる少し高めの発声もジュニア・パーカーからの影響でしょう。そのジュニア・パーカーの曲をカバーしてるので聞いてみましょう。

5.Just Like A Fish/Magic Sam

今回は久しぶりの中古盤放浪記シリーズでした。またいいアルバム見つけたら紹介します。中古盤も最近値段が上がっているのですが・・・このライヴ”Magic Touch”おすすめです。