2016.04.15 ON AIR

名盤一枚を残し、若くして亡くなった50年代の名シンガー、
ジョニー・エース

Johnny Ace/Memorial Album (DUKE/OLDAYS RECORDS  ODR 6024) 2016.4.15ON AIR

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ON AIR LIST
1.Pledging My Love
2.How Can You Be So Mean
3.My Song
4.Don’t You Know
5.Saving My Love For You

 

 

 

 

今日は50年代の素晴らしいR&Bシンガー、ジョニー・エースの名盤”Memorial Album”というアルバムを聴きます。この名盤が最近日本のオールデイズ・レコードというところからCDで再発されてゲットしやすくなったので、みなさんに紹介します。

ジョニー・エースは50年代の始めからわずか3年だけ活躍して25才で人生を終えました。その死因というのがクリスマスイヴの夜、ライヴの休憩時間に楽屋で賭け(ギャンブル)をしていてロシアン・ルーレットで自分の頭をピストルで撃ち抜いてしまったのです。本当に才能のあった歌手なので残念です。
ジョニー・エースはブルーズとR&Bと両方のテイストを持っていますが、有名になったのがR&Bバラードだったのでバラード・シンガーと捉えられています。でも、アップテンポのジャンプ・ブルーズ的な歌でのノリも素晴らしいのでそのあたりの曲も聞きます。
まず今日は彼の大ヒットとなったバラードから聴いてみようと思います。
「永遠にふたりの愛は本物や。いつも、いつまでも君だけを愛しているよ。約束して君の愛も永遠やと。魂の中の炎は永遠に燃え続けるはず」と、まあ彼女への永遠の愛を語ってるんやけど、僕はいまみたいに訳してるだけでめっちゃ恥ずかしいですけどね。
1955年彼が亡くなった翌年リリースされ、10週間にわりチャートの1位を独占した数あるR&Bのバラードの中でも名作中の名作です。
Pledging My Love

ジョニー・エースは歌が上手いんですが、これみよがしに歌いあげるわけではなく、聞いてもらったみたいに訥々とした歌い方なんですが、それがまた心に沁みるというか・・自然というか。こういう歌い方は逆に難しいです。
バラード・シンガーとして評価が高いジョニー・エースやけど、僕は彼のアップ・テンポでのキレのある歌い方も好きで、パラード・シンガーという枠に収めるのはちょっと違う気がします。
次の曲なんかもスピード感があってすごくいいです。
「愛してるって言ったくせに、オレが出かけたら新しい男とキスするなんてあんまりひどいんじゃないか。落ち込んでやる気もでないし心も失くしてしまったよ。あんまりひどいんじゃないか」
How Can You Be So Mean
スウィングするバンドのグルーヴ、ホーン・セクションの見事なアレンジ、そしてそこに乗って軽快に歌うジョニー・エース。ちょっとジャンプ・ブルーズ的なテイストもあっていいですね。

本名はジョン・マーシャル・アレキサンダー。メンフィス生まれ、メンフィス育ちの都会っ子でもともとはピアニストとして音楽の世界に入りました。
1952年、22才の時にデューク・レコードと契約して録音した最初の曲”My Song”が、R&Bチャートの1位になるという大ヒット。穏やかで、どこか悲しげな歌い方が本当に自然でさっきも言いましたが、こういう歌い方は難しいです。
「君は涙して僕と別れると言った。いま君がいなくなって1時間が1年のように思える、だから愛する人よ、僕は僕の歌を歌う。僕はまだ愛してる。帰ってきてくれないか。僕たちは永遠に一緒のはずだよね」
My Song

次のシャッフルのブルーズも当時の飛ぶ鳥を落とす勢いのデューク・レコードのしっかりした都会的なアレンジの中、どこかに素朴な味わいがあるいい感じのブルーズです。
Don’t You Know
最後はやっぱりバラードで締めましょうか。
Saving My Love For You
ジョニー・エースが残した曲はたった21曲。その大半が収録されたアルバムが今日聴いてもらった”Memorial Album”。いまオールディズ・レコードからリリースされています。是非ゲットしてください。