中古盤放浪記vol.13
半分ジャケ買いしたベン・E・キングの”Spanish Harlem”は意外なラテン・アルバムだった
Spanish Harlem/Ben.E.King

ON AIR LIST
1.Spanish Harlem/Ben.E.King
2.Quizás, Quizás, Quizás/Ben.E.King
3.Sway(Quién será)/Ben.E.King
4.Perfidia/Ben.E.King
5.Come Closer To Me/Ben.E.King
ソウル・シンガーのベン・E・キングといえばみなさん知っている、もうポピュラー・ソングとなっている”Stand By Me”のオリジナルシンガーですが、そのベン・E・キングの気になるアルバムが前からありました。”Spanish Harlem”というアルバムなのですが、”Spanish Harlem”というのはベン・E・キングがドリフターズというコーラス・グループからソロに転向して最初に放ったヒット曲です。シングルでは”First Taste of Love”という曲のB面として1960年にリリースされました。ところがA面より評判が良くてリズム&ブルースのチャートで最高15位、ポップ・チャートで最高10位まで上がりました。10年後71年にはソウルの女王、アレサ・フランクリンがこの曲をカバーしてソウルチャートで3週間1位、ポップチャートでも2週にわたって2位と大ヒットとなりソウルの名曲として定着しました。
さて、その名曲のオリジナルが収録されているベン・Eのアルバム”Spanish Harlem”ですが、これがアルバム・ジャケットの写真が素晴らしく良くて(番組HPで是非ご覧ください)以前から中古レコード店で見かけるのですが、少しレアなアルバムなので値段が高い。しかも1960年という65年前のレコードなのでレコードの盤もジャケットも状態がいいのが少なくてなかなか手を出さなかったのですが、先日とうとう納得する中古盤に出会いました。
まずはそのタイトル曲の歌詞ですがハーレムというのはNYのマンハッタンの北の方にある街です。そこには黒人だけでなく南米系の人たちも多く住んでいます。その「スパニッシュ・ハーレムに一本の真っ赤なバラがある、街の通りのコンクリートから突き抜けて咲いている。それは太陽が落ちて夜にならないと表に出てこない」
いつもハーレムの通りを歩いている、多分夜の仕事をしているスパニッシュ系の美しい女性に恋をした歌だと思います。
1.Spanish Harlem/Ben.E.King
有名なソング・ライターチームのジェリー・リーバー&マイク・ストーラーのプロデュースで曲を作ったのはジェリー・リーバート。道路から赤いバラの花が一本だけ出ているいいジャケット写真です。
このアルバムは今のスパニッシュ・ハーレムがラテン調でヒットしたことからラテンの名曲をベン・Eに歌わせるという企画だったと思います。あとはラテンの名曲がどっさり入ってます。
日本でもぼくが子供の頃、50年代終わりから60年代ラテンのブームがあり、アイ・ジョージさんとか坂本スミ子さんとかラテン・シンガーがいて江利チエミさん、ザ・ピーナッツもラテンの曲を歌ってた記憶があります。次に聴いてもらうのはラテンの中でも有名曲で英語のタイトルはPerhaps, Perhaps,Perhapsでつまり「たぶん、たぶん、たぶん」という意味ですが、男が求愛の言葉で女性に迫っても彼女の答えはいつも「たぶん、たぶん、たぶん」としか言ってくれないという内容です。
2.Quizás, Quizás, Quizás(Perhaps, Perhaps,Perhaps)/Ben.E.King
実は自分の親父がラテンのレコードを持ってまして子供の頃に家で流れてました。別に親父はラテン・ミュージックが好きというわけではなかったと思いますが、巷で流行っていたから買ったんでしょうね。ナット・キング・コールのラテン・アルバムもありました。
そういえば今日のベン・E・キングがナット・キング・コールに歌が似てるんですよ。キング・コールがもっと力入れて歌った感じ。次の曲はメキシコの作詞作曲家によって書かれた曲ですが、英語の歌詞にしたことで広くヒットしました。そういえばメキシコからトリオ・ロス・パンチョスというグループが来日してテレビでこの歌を歌ってた記憶があります。
3.Sway(Quién será)/Ben.E.King
やっぱり歌うまいですね。元々こういうラテンを歌っていたシンガーみたいですよね。
次はスペイン語で「ぺルフィディア」でこれもラテンの有名曲ですが、ぼくが10代の頃ベンチャーズがこの曲を「パーフィディア」というインストルメンタル曲で演奏していました。男が女性にフラれた曲で曲名「ぺルフィディア」は「不誠実」とか「裏切り」とかいう意味だそうです。あとグレン・ミラー楽団とかビリー・ボーン楽団とかオーケストラがこの曲をカバーしていたなぁ・・なんか懐かしくなってきました。聞き覚えのある人もいると思います。
4.Perfidia/Ben.E.King
最後はやはりナット・キング・コールが1958年に歌ってヒットしたバージョンでぼくは知っているのですが、これもラテンの有名曲です。
ベン・Eの歌の表現も素晴らしいですがナット・キング・コールかと思うほどよく似ている瞬間があります。
5.Come Closer To Me/Ben.E.King
結局、ベン・E・キングくらいのうまい歌手だとR&Bとかソウルだけでなくなんでも高いクオリティで歌えるんですよ。
今日はアルバム・ジャケットに興味があって買ってみたらソウルではなくラテン曲のアルバムだったという楽しい裏切りでした。ジャケット写真が本当にいいので番組HPでご覧ください。



