ツアー途中にゲットしたジャズ・ブルーズ、クリーンヘッド・ヴィンソンのいいLPレコード
Kidney Stew Is Fine/Eddie CleanHead Vinson(Delmark)

ON AIR LIST
1.Old Kidney Stew Is Fine/Eddie”Cleanhead”Vinson
2.Things Ain’t What They Used To Be/Eddie”Cleanhead”Vinson
3.Old Maid Boogie/Eddie”Cleanhead”Vinson
4.Please Send Me Someone To Love/Eddie”Cleanhead”Vinson
去年の11月にギターの上村秀右と東北ツアーをしたその最終日、秋田から仙台に向かう途中で以前二人で行った「ジャングル・レコード」に行くことにした。「ジャングル・レコード」は仙台市内からかなり離れていてアクセスが悪い・・が、中古レコードがそれこそジャングルの森林のようにめちゃたくさんある魅力的な店。しかし、営業時間が短い。「商売する気あるんかい」と言いたくなるほど短い。電話するとその日は四時で閉店だそうで慌てて行き、着いたのが閉店30分ちょっと前。いろいろ見たいが時間がないのでとにかくブルーズ・コーナーへ直行。そこで今日聴いてもらうクリーンヘッド・ヴィンソンのレコードを手に取って見ているとシュウが「そのレコードいいですよ」と言うので買ってみた。
私が見ていたのはギターにT.ボーン・ウォーカーが参加していたからだが、他にもカンザス・シティ・ジャズ・ブルーズの重鎮、ピアノのジェイ・マクシャン、テナー・サックスにそのジェイ・マクシャンのオーケストラにいたハル・シンガーなど実力派のジャズマンが参加している。
まずはクリーンヘッドの定番曲から。曲名が「いつもの腎臓のシチューはいいね」ですが、ハイクラスの気取った女より昔から食べ慣れた腎臓のシチューのような女がいいなという歌。日本で言えば「高級フランス料理より定食屋の豚汁定食の方がええな」という感じですかね。
1.Old Kidney Stew Is Fine/Eddie”Cleanhead”Vinson
ジェイ・マクシャンのピアノの左手の裏を打つリズムのグルーヴ感がすばらしい。
腎臓のシチューというのは日本で言えばもつ煮込みみたいな食べ物で主に黒人しか食べなかった料理です。つまり、白人が食べないで捨てる部位を黒人たちは工夫して美味しい料理にしていたということです。
ちなみにクリーンヘッドというのはあだ名でジャケ写を番組HPで見てもらうとわかるのですが、彼は髪の毛がなくてツルツル頭です。それでクリーンヘッドと呼ばれていたのですが、実は今はもうないのかも知れませんが昔は黒人の縮れた髪の毛を伸ばすという薬があり、きつい薬だと思うのですが、それを塗ったらクリーンヘッドは毛が抜けて禿げてしまったらしいです。それでしばらくしたらまた生えて来たのですが、クリーンヘッドの方が面白いかなということで彼はそれから毛を剃ることにしたらしいです。
このアルバムに参加しているベースのジャッキー・サンプソンもドラムのポール・ガンサーもジャズ・ミュージシャンなので次のようなデューク・エリントンの曲も選曲されたのだと思います。日本語では「昔は良かった」と訳されています。
2.Things Ain’t What They Used To Be/Eddie”Cleanhead”Vinson
こういうジャズ・ブルーズのライヴを聴ける落ち着いた店がないですかね。
エディ・クリーンヘッド・ヴィンソンはブルーズ界のビッグネイム、ビッグ・ビル・ブルーンジーのバンドにも参加し、ジャズのクーティ・ウィリアムスのオーケストラにもいました。つまりブルーズとジヤズの2つのフィールドをアルトサックスとヴォーカルで歩いてきた人で歴史に残る”Cherry Red”という大ヒット曲もあります。しかもサックスも歌もうまい。
次はT.ボーンのギターから始まります。T.ボーン・ウォーカーはブルーズのジャンルで「モダン・ブルーズ・ギターの父」と呼ばれていますが、十分ジャズもやれるミュージシャンですから、こういうメンバーの中に入っても全く違和感がありません。
3.Old Maid Boogie/Eddie”Cleanhead”Vinson
まず何が素晴らしいかと言えばメンバー全員のリズムのタイトな感じです。スタジオ・セッションですけどバンドみたいなんですね。セッションもこのくらいグレード高かったら楽しいんですけどね。
こういうアルバムを聴くと同じ黒人音楽であるジャズとブルーズは密接につながっていることがわかります。ジャズは敷居の高い音楽ではなく、ブルーズと同じように黒人のポピュラーな音楽の一つでダンス・ミュージックでもありました。今の曲に使われているブギというリズムはブルーズにもジャズにもあるダンス・ミュージックのリズムの一つでした。ジャズがモダン・ジャズになって行くにつれてジャズは何か難しい、高尚な音楽のように思うミュージシャンと聴衆が増えていき、それが逆にポピュラリティをなくしてしまうことになったのでは・・と思います。
次はジャンルを越えた曲です。名ソングライターであり、名シンガーでもあるパーシー・メイフィールドの不朽の名作”Please Send Me Someone To Love”
イントロのT.ボーンのギターとジェイ・マクシャンのピアノの絡みからもう最高のムードで、途中のT.ボーンのギターのアグレッシヴなプレイもお楽しみください。
4.Please Send Me Someone To Love/Eddie”Cleanhead”Vinson
今日はあると・サックス・プレイヤーであり、ブルーズシンガーでもあるクリーンヘッド・ヴィンソンの1969年のアルバム”Kidney Stew Is Fine”を聞きました。
ブルーズという音楽では昔からサックスという楽器がとても魅力的に使われて来ました。残念ながら日本ではブルーズのサックス・プレイヤーは少ないのですが、先日偶然盛岡でその数少ないそして素晴らしいブルーズ・サックス・プレイヤーの藤井康一くんとセッションをしまして楽しかったです。日本にはキドニー・シチューはないので明日は豚汁でも食べるかな・・モツ煮もええけどな。ではまた来週。










