2021.04.30 ON AIR

昨年ON AIRした「New Moon Jelly Roll Freedom Rockers」の第二弾!

New Moon Jelly Roll Freedom Rockers Volume 2 (BSMF-2724)

ON AIR LIST
1.She’s About a Mover/Alvin Youngblood Hart
2.Can’t Stand to See You Go/Jim Dickinson
3.Messin’ with the Kid/Jim Dickinson
4.Blues For Yesterday/Charlie Musselwhite

昨年11月に番組でON AIRして好評だった「New Moon Jelly Roll Freedom Rockers」の第二弾が3/19にリリースされました。
メンバーは前回と同じで「ノース・ミシシッピ・オールスターズ」のルーサーとコーディのディッキンソン兄弟にこのアルバムを録音して亡くなってしまった父親のジム・ディッキンソン、そしてハーモニカのチャーリー・マッセルホワイト、アルヴィン・ヤングブラッド・ハートにジンボ・マシス。

まずアルヴィン・ヤングブラッドハートが歌っている曲を聴こうと思うのですが、これどこかで聞いたことある・・と思ったら今は亡きダグ・サームのデビューした頃のサー・ダグラス・クインテットで録音した65年のヒット曲ですね。いいところから選曲してきます。曲を書いたダグ・サームは60年代から活躍していていわゆるテックス・メックスと呼ばれるテキサスとメキシコの音楽がミックスしたような音楽をやってまして、ブルーズはもちろんカントリー&ウエスタン、ケイジャン、ヒルピリーなどのテイストも取り込んだ面白いアルバムを作ってきた人です。残念ながら99年に58歳で亡くなりました。
「いつも通りを歩いているキレイな女の子に見とれていたら、ある日あなた名前は何ていうの?と聞かれて有頂天になるという若い男の歌」です
1.She’s About a Mover/Alvin Youngblood Hart
テンションの高いアルヴィンの歌がいいですね。
この曲はビートルズのリンゴ・スター、ソウルのオーティス・クレイもカバーしてます。

このアルバム「New Moon Jelly Roll Freedom Rockers vol.2」は2007年に録音されていて、録音後にギターとプロデュースの役目もやっていたお父さんのジムが亡くなり14年間日の目を見なかったのですが、カナダのストーニー・プレインというレコード会社から去年リリースされました。その第二弾が今日聞いてもらっているアルバムです。
ルーサーとコーディのディッキンソン兄弟はこの番組でもON AIRしたメイヴィス・ステイプルズの最近のアルバムをプロデュースしたりするオルタナ系のミュージシャンで、ジンボ・マシスもその系統のミュージシャンです。チャーリー・マッセルホワイトは60年代のシカゴでブルーズを始めた白人のベテラン、ハーモニカ・プレイヤー、アルヴィン・ヤングブラッド・ハートはこのレコーディング・メンバーの中でたった一人のアフリカン・アメリカンで1963年のウエストコーストのオークランドに生まれてます。それで子供の頃におばあちゃんがいるミシシッビに夏休みに行ってそこでチャーリー・パットンなどの古いブルーズを聞いてからブルーズに入ったミュージシャン。

次はジミー・リードのダウンホームなブルーズをディキンソンのお父さんジムが歌ってます。ジミー・リードはいろんな曲をよくカバーされるブルーズマンですが、この曲をカバーしている人はあまりいません。
「彼女が去って行くのを見るのは耐えられない」という内容ですが、「初めて会った夜に俺のこと愛してるって言うたの覚えてるか」とか言うてるんですが、最後にはもし行ってしまうやったら電話くれよ。俺は待ってるよ。一人っきりで暮らしてるんや」とえらい情けない話になってます。でも、こういう場合、女性はもう帰ってきません。
2.Can’t Stand to See You Go/Jim Dickinson

このNew Moon Jelly Roll Freedom Rockersというのはジャム・セッションのバンドで継続してずっとやっていこうという感じでもなかったと思います。スタジオにメンバーが円を描くように座ってそれぞれの好きな曲を持ち寄って順番に録音したらしいです。まあ、お互い音楽のルーツがまずブルーズにあることはわかっているし、カバーの曲を録音するのでもみんな知っていてやっている感じです。そういうお互いのルーツが解り合っているとこういうジャム・セッションも楽しいと思います。
次の曲なんかもたぶんジム・ディキンソンが「ジュニア・ウエルズのMessin’ with the Kidを歌おうと思うんやけどどうかな」と言ったら。みんな「ああ、あの曲ね、いいね」という感じだったと思います。
3.Messin’ with the Kid/Jim Dickinson

次はチャーリー・マッセルホワイト。これは彼のオリジナルですね。チャーリーは最近エルビン・ビショップと二人でアルバムをリリースしたり今も精力的に活動していますが、そのエルビンとのアルバム「100 Years Of Blues」でもこの曲をやっています。今年77歳になると思いますが、いろんなミュージシャンとのコラボも多くて本当にいい感じで音楽を続けています。
「転がり落ちるようにハイウェイを行くんだ。日没に向かって転がり落ちて行く。昨日はずっとブルーズだった。辛い時間だったけど俺たちは楽しかった。」
チャーリーの歌が薄味なのでアルヴィン・ヤングブラッドハートの濃い味のスライドギターでいい感じになっています。
4.Blues For Yesterday/Charlie Musselwhite

このNew Moon Jelly Roll Freedom Rockersのvol.2は日本のBSMFレコードからリリースされています。第一弾を聞いていない方是非それも聞いてください。