ブルーズ暑中お見舞

ON AIR LIST
1.Ice Man/Albert Collins
2.Give Me Back My Wig/Hound Dog Taylor
3.Cotton Boogie/The James Cotton Band
4.Hot/Robert Cry Band
5.Back Door Man/Howlin’ Wolf
暑い日が続きますが、今日は当番組からブルーズ暑中見舞いです。
暑中見舞いというと水羊羹とか素麺とかアイスとか送られたりすると思いますが、昔うちの親父は「暑い日には熱いお茶を飲め」と言ってました。暑いからと言って冷たいものばかり飲んだり食べたりしているとお腹を壊すから熱いお茶も飲めと言ってたのですが、親父本人は冷たいビールを旨そうに飲んでました。
それで毎年言ってるのですが「涼しいブルーズ」はないか・・と、つまりビーチボーイズのようなサーフ・ロック、カルロス・ジョビンやアストラッド・ジルベルトのボサノヴァのような涼を感じるブルーズ。結論からいうと基本的には涼しいブルーズはありません。ただ、フォーク・ブルーズのミシシッピ・ジョン・ハートやソニー・テリー&ブラウニー・マギーやカントリー・ブルースのレッド・ベリーに涼しさを感じることはあります。
なので「暑い日には熱いお茶を飲め」という自分の父親の言葉通り、今日はブルーズの中でも特に熱いと感じるブルーズを暑中見舞いとしてお送りします。
まずはアルバート・コリンズ。コリンズは1965年にザ・クール・サウンド・オブ・アルバート・コリンズというアルバムを出してまして、ジャケット写真は涼しげな氷の入ったレモンが添えられたコップのカクテルのようなものでした。そのアルバムにはFrosty(凍ったとか霜のついてる冷たさ)とかFrostbite(凍傷)というタイトルの曲も入っていていかにも涼しげな、いやめっちゃ冷たい感じのイメージがジャケットと曲名からあったんですが、演奏は冷たいどころかめちゃ熱いです。ではタイトルも「アイスマン」
1.Ice Man/Albert Collins
「俺は君のアイスマン。君を冷やすためにここにいるんやないんよ。俺はテキサスのレオナを出て一番クールな場所(かっこいい場所)を熱くするために来たんだ」という歌詞ですが、クールというのはかっこいいという意味もありますから、かっこいい場所で俺のかっこいいギターで君をホットにしてやるという意味やと思います。
次はもう名前聞いただけで暑いハウンド・ドッグ・テイラー。曲名がGive Me Back My Wigですから「俺のウイッグを返してくれ」
確かにハウンドドッグ・テイラーもカツラかぶっている写真がありますが、あれ、アメリカのミュージシャン特にブルーズマンってなんやモロにウイッグってわかるかぶり方してるいうか、頭のサイズに合ってないいうか、その辺大雑把なんですよね。ライトニン・ホプキンスなんかカツラズレてるやんいう写真あります。
日本は今はもうウイッグも普通になりましたが、アメリカはウイッグの歴史が古い割りに大雑把です。
歌詞は「俺のウィッグを返してくれよ。お前の頭、坊主にしてまうぞ。ほんま仕事がないねん。お前に買ってやるウィッグはほんまないねん。」
ってこれウイッグを彼女と共有してるんですかね。
2.Give Me Back My Wig/Hound Dog Taylor
いい感じに暑苦しい曲ですが、最後に「俺にウイッグ返したらお前の好きにしたらええから」ってそんなにウイッグ大事なんですかね。
次はジェイムズ・コットンです。まあ歌もハーモニカも熱いブルーズマンですが、聞いてもらうのはライヴのインスト曲で歌がなくても熱いです。リズムもめちゃ早いブギでグルーヴがバシッと決まっているので気持ちいいですが汗だくで演奏してるのが目に浮かびます。
3.Cotton Boogie/The James Cotton Band
次は比較的新しい録音でロバート・クレイ。クレイもデビューして45年経っていまやブルーズ界の大物ですが、聞いてもらうのは2020年五年前にリリースしたアルバム”That’s What Heard”から曲名も熱いです”Hot”。
4.Hot/Robert Cry Band
クレイの歌もギターもバックもめちゃ熱いです。でも、クレイの芸風が熱いけど彼が本来持っているスマートさがあるのでさっきのコットンほどの暑苦しさは感じません。まあ、性格、人格はやっぱ音楽に出ます。
このアルバム”That’s What Heard”はドラムのスティーブ・ジョーダンがプロデュースしてゴスペル曲を今風にうまくアレンジしたり、クレイの歌唱力を生かしたボビー・ブランドのカバーを入れたりオリジナルもあったりいろんなカインドが入っているけど統一感のあるいいアルバムです。
最後にもう一曲。歌が熱いブルーズマンといえばこの人、ハウリン・ウルフ
「俺はバックドア・マン(裏口から入ってくる間男)。みんなが寝た真夜中に他人の嫁さんの家に忍び入って、朝ニワトリが鳴く頃に出ていく。町の男たちは知らないけど女たちはみんなわかってる」間男の歌。間男言うてももう若い人たちわからないかもしれないですが、辞書を紐解くと「結婚して夫がいる女性が、夫以外の男と肉体関係を持つこと。またはその相手の男のこと」とあります。だからこの男はこっそり裏口のドアから夜中に入って朝方に出ていくと歌っております。こんなこと丁寧に説明してどないすんねんですが。
5.Back Door Man/Howlin’ Wolf
今回はブルーズ暑中見舞いでした。私はここ数年夏は極力ライヴを減らしてます。天気予報で猛烈な暑さから最近危険な暑さという言い方が多くなってますが、まあ外に出るないうことです。外に出るな言われてもね。まあ、みんな気をつけてください。ほならHey Hey The Blues Is Alright