祝50周年P-Vine Records! 第8回
1983年P-Vineレコードがリリースした名作チャック・ベリーLP 三枚組ボックスその1
VERY GOOD!/Chuck Berry

ON AIR LIST
1.Wee Wee Hours/Chuck Berry
2.Thirty Days/Chuck Berry
3.Roll Over Beethoven/Chuck Berry
4.Havana Moon/Chuck Berry/Chuck Berry
5.Too Much Monkey Business/Chuck Berry
「ブルーズのインディペンデント・レーベルとして始まり今や世界に誇るレコード・レーベルとなったP-Vineレコーズの50周年を祝して、P-Vineが今までリリースしてきたアルバムの中から私がこれは聞いてほしいと思うアルバムを紹介しているシリーズの8回目」
R&Rの王様のひとり、チャック・ベリーと言えばその黄金期はチェス・レコードに在籍していた時代。そのチャックのチェス時代の録音を的確にコンピレーションして三枚のLPボックスにして出したP-Vineの秀作のひとつです。こういうボックスセットには詳しい録音クレジットや丁寧なライナーがあり時系列でその音楽の流れを知ることができるのでいいですよね。
チャック・ベリーはチェスレコードと契約してすぐに55年”Maybellene”の初ヒット以降、”Thirty Days”,”No Money Down”,”Roll Over Beethoven”,”Too Much Monkey Business”をヒットを飛ばし、50年代半ばには”School Days”,”Rock And Roll Music”,”Sweet Little Sixteen”,”Johnny B.Goode”と音楽史に残るR&Rの名作を数々リリース。チェスレコードはマディ・ウォーターズやハウリン・ウルフなどブルーズの重要レーベルでもあり思いがけずロックン・ロールの重要レーベルともなったわけです。
チャックの特集はこの番組で過去何回かやっているので、今回はまず最初のヒット”Maybellene”のシングル盤のB面のブルーズ曲。Wee Wee Hoursのwee wee とは早朝、夜明け前のこと。「夜明け前に君のことを思い出す。君の愛は本物やったんかなぁ。狭い部屋で君のことを思い出す。君は二人でやったことをみんな覚えているやろうか・・・」チャックのブルーズです。
1.Wee Wee Hours/Chuck Berry
チャック・ベリーだからアップテンポのロックンロールを期待していた方には申し訳ない。スロー・ブルースでした。
途中の素晴らしいピアノ・ソロはチャックの音楽には欠かせなかったチャックの右腕のジョニー・ジョンソン。元々ブルーズをやりたくてセントルイスからシカゴにきてマディ・ウォーターズのバンドに入りたいと思ってたらしいのですが、芸風が合わずマディにチェスレコードを紹介してもらったらしいです。チャックはモダン・ブルーズの父、T.ボーン・ウォーカーがアイドルで後年に自分のライヴに大好きなT.ボーンが多分飛び入りで入ってギター弾いて歌う映像がYouTubeに出てますが、もうチャックは子供のようにはしゃいでます。今の曲もおそらくT.ボーンを意識した曲だと思います。
チャックは55年から65年までの10年間チェスレコードに在籍して66年からマーキュリーレコードに移籍しますが、70年にまたチェスに戻ってきます。でも、彼の全盛期は最初のチェスの10年間です。その10年間のシングルからコンピレーションしたこのP-VineのLP3枚組はどんなに転んでも間違いのない代物です。
次の曲は2枚目のシングルのB面です
曲はその前にヒットした「メイベリーン」と同じような曲調ですが、チャックのギター・ソロが素晴らしいです。特にリズムはさすがキング・オブ・ロックンロール。
曲名のThirty Daysは30日間ということですが、なんか理解するのがむずかしい曲で30日間の間に帰ってこいよということなのですが、どうも彼女は何か悪いことでもしたのか警察に捕まっていて、それをこの男が彼女を無罪にしてもらえるように裁判官に話をつけて釈放してもらえるようになった・・と。だから30日の間に俺のところに帰って来いよという歌だと思います。
2.Thirty Days/Chuck Berry
今の二曲だけを聞くと普通のブルーズマンと変わりない感じですが、翌年56年録音のこの曲になるとチャック・ベリーの定番になるロックンロールの形がでてきます。
リズムがシャッフル・ビートやブギウギにのちにはっきり8ビートになっていくその辺のリズムが混じった面白い曲です。
ビートルズもカバーした音楽史上大切な曲だと思います。
3.Roll Over Beethoven/Chuck Berry
次の曲「ハバナ・ムーン」ですが、これはロックンロールのキングとしては珍しい曲で南国ムードたっぷりの曲調です。ハバナはキューバの首都ですが、チャックは行ったことがあったのでしょうか。ハバナの月を見ながらひとりでラム酒を飲んで彼女が帰ってくるのを待っているという曲ですが、チープなラテン・ムードがなんともいい感じです。そのチープさで逆に曲が印象に残るというか・・。この曲はサンタナがカバーしていますが、それもすごくいいです。
4.Havana Moon/Chuck Berry/Chuck Berry
もう一曲、そんなにヒットした曲ではないのですが、このMonkey Businessという言葉をぼくはこの曲で知りました。Monkey Businessとはいい加減なくだらない仕事とか騙すような仕事、インチキの商売 「俺の周りにはくだらない、インチキな仕事ばかりだ」という歌詞です。ビートルズもプレスリーもこの曲をカバーしてますがショー・ビジネスの世界にいるとくだらない仕事やインチキみたいな商売をしているやつに出会います。チャック・ベリーもビートルズもブレスリーもそういう輩にたくさん会っていると思います。
5.Too Much Monkey Business/Chuck Berry
来週もこのP-Vineレコードが1983年にリリースしたチャック・ベリーのLP三枚組セットを聞きます。