2016.12.09 ON AIR

テキサスのファンキーなピアノ・ブルーズマン、フロイド・ディクソン!

Floyd Dixon/Hey Bartender His Very Best 1949-59 (JASMCD-3065)
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ON AIR LIST
1.Hey Bartender/ Floyd Dixon
2.Dallas Blues/ Floyd Dixon
3.Wine, Wine, Wine/ Floyd Dixon
4.Tired, Broke and Busted/ Floyd Dixon
5.Tight Skirts/ Floyd Dixon

 

 

 

 

前回はテキサスのワイルド・ギタリスト、ピー・ウィー・クレイトンでしたが、今回はテキサスのファンキーなブルーズ・ピアニスト、フロイド・ディクソンです。
フロイド・ディクソンは1929年テキサスのマーシャルというもうルイジアナ州に近いところで生まれ ピアノを独学で覚えて 13才の時に一家でロスに引っ越し。テキサスからウエストコーストへ行って一旗揚げたいというのは当時の黒人に多かったパターンです。当時ロスなんかは右肩上がりの街でしたから、アメリカの中西部の人たちは成功を夢見て移住したんでしょうね。
フロイド・ディクソンを知らなくてもこの曲を知っている人はいるかも。1978年のブルーズ・ブラザーズのアルバム”Briefcase Full Of Blues”でカバーされて、それで知っている人もいると思います。そのオリジナルをまず聴いてください。
ちょっと訳します「この間の夜はめちゃ楽しかったなぁ。飲み始めたらすっかり酔っぱらって、気持良うなってともだちみんなに酒をおごってやったんや。ヘイ・バーテンダー、1杯2杯3杯4杯みんなにビール注いでやってや。よう見たらカウンターの端っこに可愛い娘がおるやんか、なあなあ友達にならへんか。自分めっちゃ可愛いやん、オレと一緒に飲もや。ヘイ・バーテンダー、1杯2杯3杯4杯みんなにビール注いでやってや。めちゃ楽しくて飲んでたらあっと言う間に夜が明けてきた。ヘイ・バーテンダー、1杯2杯3杯4杯みんなにビール注いでやってや。ジュークボックスはから流れる音楽はみんなええ感じや。みんな歌い始めてる。そしたら誰かがラストオーダーや言うてる。ヘイ・バーテンダー、1杯2杯3杯4杯みんなにビール注いでやってや。」
めちゃおごったりはしませんでしたが、毎晩朝まで飲むこんな日々が昔私にもありました。
1.Hey Bartender/ Floyd Dixon
1948年にアマチュア・コンテストで優勝し、その時のバンドリーダー、ジョニー・オーティスに認められてプロの世界に入った。レコード・デビューの最初の曲が「ダラス・ブルーズ」。
これがラッキーなことにチャートのトップ10位までいって次の「ミシシッピー・ブルーズ」というのも14位まで上がり好調にデビューを飾りました。では、そのデビュー曲、ダラス・ブルーズを・・。
2.Dallas Blues/ Floyd Dixon

ディクソンはロスで演奏活動を初めてすぐに、同じロスにいた同じピアニストのチャールズ・ブラウンと友達になります。まあ、チャールズ・ブラウンは”Driftin’ Blues”とか”Merry Christmas Baby”とか大ヒット曲があったので、40年代から50年代にかけてウエストコーストにいたブルーズピアニストは多かれ少なかれチャールズ・ブラウンの影響をウケていて、かのレイ・チャールズもそうでした。
このフロイド・ディクソンはチャールズ・ブラウンほど都会的ではなくて田舎臭さが残っているところが味噌で、あとはファンキーな一面、一曲目のHey BartenderのようなファンキーなR&Bテイストがあるところがいいところなんですが、次の曲もHey Bartenderと同じようなお酒ネタの曲です。
「いつもワイン、ワイン、ワインや。ワイン飲むとめちゃ気分ええねん」それだけの歌ですが、宴会で盛り上がりそうな曲です。
3.Wine, Wine, Wine/ Floyd Dixon

同じテキサス出身のピアノ・ブルーズマン、エイモス・ミルバーンも”Bad, Bad Whiskey””One Scotch, One Bourbon, One Beer” “Thinking and Drinking,”とかお酒ネタのヒットが多かった人です。
まあ、こういうご陽気なブルーズばかり歌っていたわけではないんですよ、
次はTired, Broke and Bustedというタイトルなんですが、「疲れた、壊れた、つぶれた」で、そのあとに仕事もなくした。自分の彼女も失くした。腹へって死にそうや。ああ疲れた、壊れた、つぶれた。すべてオマエのせいや」
これ結局、女のせいにしてますけど、こいつが悪いんですよ。たいてい男が・・・。すんません。
では、疲れた、壊れた、つぶれた
4.Tired, Broke and Busted/ Floyd Dixon
歌詞の内容にしては曲調がなんかゆるい、陽気な感じですが・・まあつらいけど笑い飛ばしてしまうおか・・というところでしょうか。
その後、ディクソンはめちゃくちゃは売れなかったんですが、60年代70年代もいろんなレーベルに録音してます。
70年代半ばにはレイ・チャールズやルース・ブラウンとヨーロッパツアーしたり、スエーデンのレーベルからアルバムをリリースしたり、2006年77才でガンで亡くなるまで現役として活躍しました。
では、最後にディクソンらしい曲で、タイトルがいいです。タイト・スカートです。
「体にフィットしたタイトスカートを着た女ってたまらんよね。大きなお尻でタイトドレスを着てるんっていいよね」
僕も言いたい「いいよね」
5.Tight Skirts/ Floyd Dixon

今日は40年代から活躍したファンキーなウエストコーストのピアニスト・ブルーズマン、フロイド・ディクソンでした。お酒飲む時とか宴会、パーティにぴったりのブルーズです。年末に是非どうぞ!