2023.08.18 ON AIR

Kick Off The Blues vol.2ツアー/弘前EAT&TALKでの「ブルーズ夜話」のライヴを聴きながら・・

ON AIR LIST
1.I Feel Like Going Home/永井ホトケ隆+上村秀右
2.Baby Please Don’t Go/永井ホトケ隆+上村秀右
3.I Feel So Good/永井ホトケ隆+上村秀右

今回は去る8/8に弘前の”EAT&TALK”で開催された「ブルーズ夜話」でのライヴ録音音源を一緒にライヴに出演してくれた上村秀右君と聴きながらトークを交えてお送りします。

トークを全て書ききれませんのでON AIRを是非聞いてください。

2023.08.11 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.5

Johnny Otis Show Live At Montery

ON AIR LIST
1.Willie and the Hand Jive/Johnny Otis
2.Cry Me A River Blues/Esther Phillips
3.Since I Met You Baby/Ivory Joe Hunter
4.Kidney Stew/Eddie Cleanhead Vinson
5.Good Rocking’ Tonight/Roy Brown

伝説のジョニー・オーティス・ショーを再現した1970年のリユニオン・ライヴ”Johnny Otis Show Live At Montery”
さて今夜のブルーズ・ライヴ・アルバム名盤シリーズですが、前回は私がブルーズに突入するきっかけになった入門書のようなアルバム、マディ・ウォーターズの”Fathers And Sons”の1969年のライヴ・サイドを聞きましたが、今日はその翌年1970年にカリフォルニアのモンタレー・ジャズ・フェスティバルで録音されたジョニー・オーティス・ショウのライヴ・アルバムです。LP2枚組です。
以前も特集しましたが、ギリシャ系の白人なのに「R&B界のゴッド・ファーザー」と呼ばれるジョニー・オーティスはミュージシャンとしてだけではなく、新人ミュージシャンの発掘(エスター・フィリップス、エタ・ジェイムズなど)やラジオのDJ、クラブの経営、プロデューサー、バンド・リーダーなどいくつもの顔をもつ男でした。多方面に活動する彼はたくさんのミュージシャンと知り合うチャンスがあり、それでバックバンドを結成してフロントに立つシンガーが次々に替わって歌っていくというパッケージ・ショーを作りあげました。それが「ジョニー・オーティス・ショー」です。
この二枚組のアルバムでもいろんなミュージシャンが登場しますが、まず本人ジョニー・オーティスの1958年の大ヒットのこの曲でショーは始まります。

1.Willie and the Hand Jive/Johnny Otis

ショウの幕開けにふさわしい曲。私のブルーズ・ザ・ブッチャーでもレコーディングしたR&Bの名曲です。
「ジョニー・オーティス・ショー」は1950年代の中頃から始まったらしいのですが、どのくらいの規模でどの辺りまでツアーに行っていたのかはわかりませんが、この1969年の時はリユニオン(再結成)での特別ライヴだったようです。
そう言えば、1990年にはブルース・カーニバルのメイン・アクトで来日した。そう考えると途切れ途切れではあるがずっとやってたのかなぁ・・。
二番目に登場するのが私の大好きなエスター・フィリップス。このライヴが1970年ですからエスターがCTI系のKUDUれーべるでブレイク少し前です。エスター自身のライヴ・アルバムでも歌っているこの曲。

2.Cry Me A River Blues/Esther Phillips

次は元々はブルーズやブギを歌うピアニストだったアイヴォリー・ジョー・ハンターですが、1950年に”I Almost Lost My Mind”という少しカントリー・ウエスタン・フレイバーが入った甘いバラードが大ヒットして、次第にそっち方面にシフトを移動させカントリー・ウエスタンのフェスティバル「グランド・オール・オプリー」にも出演したこともあります。このジョニー・オーティス・ショウでもカントリー・フレイバーのヒット曲”Since I Met You Baby”を歌っています。
「君と出会ってからぼくの人生はまるで変わってしまった。君と出会ってから悩みごとを相談する人ももういらないしね、君と出会ってから俺は幸せ者だよ。君を喜ばせるように頑張るからね」まあ、勝手にしてくれと言いたくなるような曲です。

3.Since I Met You Baby/Ivory Joe Hunter

このジョニー・オーティス・ショウのライヴ・アルバムに出演しているミュージシャンはウエストコーストの人が多いのですが、ウエストコーストのジャズ・ブルーズ・ミュージシャンと言えばサックスのクリーンヘッド・ヴィンソンでしょう。私も昔、ロスのクラブでライヴを観ました。サックスも吹くが歌も歌える人で日本では藤井康一くんがクリーンヘッドに影響を受けた人ですね。
イントロのサックスのテーマからとてもいいグルーヴで、こういう音楽は本当に聞けなくなってしまいました。日本のジャズ・ミュージシャンってこういうのに本格的に取り組む人っていませんね。ファンキーで素晴らしいと思うのですが。曲名のキドニー・シチューのキドニーは腎臓やから日本でいうモツの煮込みですね。アメリカでは昔ホルモン系の料理は黒人にしかなかったんですね、今もそうか・・。
「どうも階級の高い女はアカンね、家に帰って昔から付き合ってるスーちゃんがええねん。彼女はキャビアなんかやなくてねいつものモツのシチューやねん。いつものモツシチューがええねん」

4.Kidney Stew/Eddie Cleanhead Vinson

40年代に大流行したジャンプ・ブルーズのシャウター・シンガーとして名を馳せたロイ・ブラウン。B.B.キングはじめ彼の歌い方に影響を受けたシンガーは多い。彼のこの曲はエルヴィス・プレスリーがカバーして大ヒットしました。
パーティ・ソングとしてこれは売れるでしょうね。

5.Good Rocking’ Tonight/Roy Brown

2023.08.04 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.4

Fathers And Sons/Muddy Waters (Chess)

ON AIR LIST
1.Long Distance Call/Muddy Waters
2.Baby Please Don’t Go/Muddy Waters
3.The Same Thing/Muddy Waters
4.I Got My Mojo Working/Muddy Waters

LPレコードでは二枚組だった”Fathers And Sons”は一枚がライヴ盤でもう一枚はスタジオ録音になってます。
しかし、このライヴ・サイドは70年代初期に当時まだブルーズのライヴを生で聞いたことのない私にとって、ブルーズの臨場感を伝えてくれ興奮させられるものでした。
このアルバムのことは何度かこの番組で言っていますが、私がブルーズという音楽に入っていく道しるべになったアルバムでもちろんスタジオ・サイドも素晴らしいです。さて、そのライヴ・サイドを今日は聴くのですが、ライヴ録音された場所はイリノイ州シカゴの「スーパー・コズミック・ジョイスカウト・ジャンボリー」というところで、録音時期は1969年の4月のライヴです。
メンバーはマディ・ウォーターズ、マディの右腕ピアノのオーティス・スパン、ドラムがハウリン・ウルフやポール・バターフィールド・ブルーズバンドにいたサム・レイ、そしてハーモニカがポール・バターフィールド、ギターはやはりポール・バターフィールド・ブルーズバンドにいたマイク・ブルームフィールド、ベースがブッカー.T&MG’sにいたドナルド・ダック・ダン・・まぁ錚々たるメンバーです。黒人のマディやスパンがブルーズの父、そして白人のポール・バターフィールド、マイク・ブルームフィールドたちが息子という設定でFathers And Sonsというタイトルが付けられています。白人のロックファンの間でブルーズロックが流行っていた時期でこういう企画が生まれたのだと思います。
まずは強烈なマディ・ウォーターズのスライドギターから始まる一曲目から

1.Long Distance Call/Muddy Waters

めちゃウケですね。
マディがスライド・ギターでイントロを始めた瞬間から客席がざわつきますが、そこからもうすごく臨場感があっていですね、
客席からの歓声を聴くとかなり大きな会場という感じがします。
マディの素晴らしいギター・ソロでは口笛と歓声がすごくてウケている雰囲気が伝わってきます。そのあとのマイク・ブルームフィールドのギターソロも端正なソロでいいですね。
録音された1969年頃はすでに黒人音楽の主流はソウルとファンクでブルーズは黒人の間では昔の音楽になってしまった時期ですが、白人のブルーズロック・ファンたちが生まれたことでマディはじめ黒人ブルーズマンたちは経済的に一息つけたことでしょう。それもまあ有名どころのブルーズマンだけですが・・・。
次の曲はこの時代のマディのライヴの定番曲です。
次のBaby Please Don’t GoやBlow Wind Blow、I’m Ready, Mannish Boy,Mojo Workingあたりはよく演奏されていた時期です。

2.Baby Please Don’t Go/Muddy Waters

バンドがタイトでいいですね、白人メンバーもみんなブルーズに精通しているミュージシャンたちですからダメなところがありません。この曲は1935年にビッグ・ジョー・ウィリアムスが最初に歌ったものですが、その後いんろなブルーズマンに歌われてスタンダード化したものです。僕も自分のバンド『ブルーズ・ザ・ブッチャー」の最新アルバム”Feel Like Going Home”でカバーしました。そちらもよろしく。
次は私がすごく好きな曲でなんとも言えないブルーズ・ムードが漂っている曲です。
ここでもメンバーのそれぞれの音の出し方が本当にうまい。バターフィールドの抑え気味のハーモニカソロがマディのギターソロあたりはもう鳥肌ものです。

3.The Same Thing/Muddy Waters

そして、最後のこの曲の盛り上がりを聞いてください。スパンのピアノのイントロのフレイズからすでにグルーヴしている素晴らしさ。
このアルバムを始めて聴いた直後、この曲をウエストロードのレパートリーにすぐ入れました。
本当にこのアルバムに出会えてよかったし、特に今日聴いたライヴ・サイドは自分たちがライヴをやる時の大きなヒントになりました。
では

4.I Got My Mojo Working/Muddy Waters

あまり素晴らしくて客の興奮が収まらず、ドラムのバディ・マイルスを迎えてもう一度この曲をやります。もう興奮の坩堝です。でも、今日は時間がないのでそれは自分でこのアルバムをゲットして聴いてください。
間違いない名盤です。

2023.07.28 ON AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.3

Blues At Sunrise/ Albert King(Stax)

ON AIR LIST
1.Don’t Burn Down The Bridge
(‘cause You Might Wanna Come Back Across)/Albert King
2.I Believe To My Soul/Albert King
3.I’ll Play The Blues For You/Albert King
4.Blues At Sunrise/Albert King

ブルーズ・ライヴ名盤の3回目。アルバート・キングです。
スイスのレマン湖のほとりで毎年開催されているモントルー・ジャズ・フェスティバルでのアルバート・キングの1973年のライヴを録音したアルバム「ブルーズ・アット・サンライズ」です。
アルバート・キングには1968年サンフランシスコのフィルモア・オーディトリアムでのライヴを録音した「ライヴ・ワイア/ブルーズ・パワー」という有名なライヴ・アルバムもありますが、今日ON AIRするこのアルバムの方が歌をしっかり歌っていて僕はこの「ブルーズ・アット・サンライズ」の方が好きです。アルバムの選曲のバランスがいいです。
アルバートは他にも1977年の”LIVE”というのもあります。とにかくライヴに魅力のあるブルーズマンです。

「二人を繋いでいる橋を焼き落とすようなことはやめろ」と言ってる歌です。

1.Don’t Burn Down The Bridge
(‘cause You Might Wanna Come Back Across)/Albert King

アルバート・キングは最初そんなに有名なブルーズマンではなくて1961年に”Don’t Throw Your Love on Me So Strong” というスロー・ブルーズがR&Bチャートに出たくらいでした。それが1966年にスタックス・レコードと契約したのがアルバートの幸運の始まりでした。先ほど言ったフィルモアの「ライヴ・ワイア/ブルーズ・パワー」は、フィルモアという会場が当時ロックの殿堂と呼ばれたホールでサンタナ、グレートフル・デッド、ジャニス・ジョップリンなど当時のロック・スターたちが人気を博したところです。そこでのライヴでアルバートは白人のロックファンを獲得したことが大きかったです。今日聞いてもらうアルバムでもそうですが、とにかくライヴで火を吹くようなギターソロが売りになりました。

次の曲はレイ・チャールズが作詞作曲して歌った曲ですが、アルバートはすっかり自分のアルバート調の節回しで歌っています。ギターを評価する人たちが多いのですが、僕は少しくぐもった声、スモーキー・ヴォイスとも呼ばれていますが彼の歌声がすごく好きです。
この曲もギターソロはキレキレです。たぶん、アンプの音質や音の歪み具合がアルバートの好みにぴったりなんだと思います。実にアルバートらしいキレもあり膨らみもある素晴らしいギターの音色で気持ちのいいソロを弾いてます。

2.I Believe To My Soul/Albert King

先ほどスタックスと契約したのがアルバートの幸運の始まりと言いましたが、スタックス・レコードは作詞作曲家のチームもいましたし、プロデューサーもアレンジャーもしっかりいてちゃんと曲作りと録音するシステムができてたことが良かったのです。録音もMGsとかバーケーズとかしっかりしたスタジオのメンバーのバンドがありました。だからサウンドはすごくしっかりしていました。
次の曲はアルバートの70年代を代表する曲で、B.B.キングの看板曲”The Thrill Is Gone”のような曲でアルバートは必ずこの曲をライヴでやっていました。

3.I’ll Play The Blues For You/Albert King

ぼくはアルバート・キングのライヴを日本で何度か、アメリカで一回聞きましたが、とにかくステージの音響状態やバックバンドの演奏や楽屋はじめいろんな待遇で機嫌が変わる人で、それによって演奏のクオリティも変わる人でした。

ギター・ソロのパターンとかフレイズがたくさんあるわけではないのですが、ギターのタイミングとかチョーキングの瞬発力みたいなのがすごくてあっけにとられることもあります。ギターで作られるグルーヴ感がとても大きいです。
ギターの歪み具合も含めてそういうグルーヴ感を味わうにはやはりライヴが一番です。もうアルバート・キングは亡くなってしまったのでライヴは見れませんが、好きなミュージシャンのライヴは絶対に借金をしてでも見に行った方がいいです。

4.Blues At Sunrise/Albert King

よく言われることですが、やはりブルーズはライヴです。その時、その日の感情がストレートにでやすい音楽ですから、またお客さんがいいといいライヴになります。だからいいライヴにするには一緒にライヴを作っているお客さんの反応がすごく大切です。
このアルバート・キングのライヴのお客さんも反応が良かったようです。

2023.07.21 0N AIR

ブルーズ・ライヴ名盤 vol.2

Live At The Regal/B.B.King

ON AIR LIST
1.Every Day I Have The Blues/B.B.King
2.Sweet Little Angel/B.B.King
3.My Own Fault/B.B.King
4.How Blue Can You Get?/B.B.King
5.Help The Poor/B.B.King

今回のブルーズ・ライヴ名盤はB.B.キングの1964年シカゴのリーガル・シアターというホールでのコンサートを収録した”Live At The Regal”
ブルーズの名盤中の名盤です。
50年代はヒットがたくさんあったのですが、このアルバムが録音された1964年当時のB.B.キングはヒット曲がなかなか出ない時期でした。そして、まだ白人の世界ではあまり名前が知られず、黒人クラブのサーキットずっと回るライヴを毎晩のようにやってツアーを回っていました。一年に340日ライヴをやった年もあったと言います。しかし、この当時のB.B.のライヴは演奏のクオリティが高く、またエンターテイメントとしても独自のスタイルを確立した時期でライヴ・ミュージシャンとしては人気がありました。
アルバムがヒットしない分をB.B.はライヴをやり続けることで稼ぎなんとかバンドを維持していきました。
さて、ライヴです。
”The King Of The Blues、B.B.King”というMCの呼び込みがあり、60年代から70年にかけてB.B.キングのライヴの最初の曲として定番となっていた”Everyday I Have The Blues”を疾走感のあるアップ・テンポで演奏。ドラマーに凄腕のソニー・フリーマンを得たことでバンドのグルーヴが上がり、この曲もこれからのライヴを期待させる開幕の一曲。
バンドのサウンドとリズムが安定して、B.B.自身もギタースタイルを確立した時期です。ブルーズとしては超一流のライヴを続けていました。まさにライヴが充実の時期。

1.Every Day I Have The Blues/B.B.King

B.B.の短いMCの後これも定番曲のスローブルース、”Sweet Little Angel”に突入。
この”Sweet Little Angel”からIt’s “My Own Fault”そして”How Blue Can You Get?”とスロー・ブルーズを三曲続けてB.B.は連奏します。それも彼の自信の表れだと思います。約10分以上に渡るスローの演奏がまるで飽きない。何故ならその10分間にB.B.はいくつもの山と谷を作って曲のダイナミズムをバンドと縦横無尽に作っていきます。バック・バンドの素晴らしさ。まさに一体となって怒涛のように10分が過ぎます。そのライヴの白眉を聞いてもらいたいので今日は三曲をそのまま最後まで聞いてもらいます。

2.Sweet Little Angel/B.B.King

3.My Own Fault/B.B.King

4.How Blue Can You Get?/B.B.King

このB.B.キングのアルバム”Live At The Regal”はブルーズの名盤としていつも取り上げられるアルパムですが、名盤になっているひとつは観客がほとんど同胞の黒人であることだと思います。
聞いているとわかるのですが、B.B.の歌の歌詞、そしてギターのフレーズに黒人観衆はダイレクトに反応し歓声や叫び声をあげ、熱烈な拍手を送っています。つまりすごくしっかりB.B.
の演奏を聴いているのがわかります。B.B.の歌うブルーズの内容が黒人聴衆の心にハマっている。こういう客席とのコール&レスポンスというのが黒人音楽の醍醐味の一つでもあるわけです。
最高に充実していく時期で自分のスタイルを完全に築いた頃です。
B.B.のライヴはブルーズマンの中ではいつもクオリティが高く感心させられますが、そのひとつはB.B.が常にバック・ミュージシャンのクオリティを下げないことにあります。
ブルーズマンの中には少し売れてくるとギャラが上がり、自分がいればいいだろうという考えで自分がたくさんギャラを取りバックバンドのギャラを上げない人が結構います。するといいミュージシャンは他のバンドに移ってしまう。いいバンドにするにはバンドにいいギャラを払わないとダメということをB.B.はよくわかっていました。宿泊のホテル、移動の電車や飛行機でもB.B.のバンドの待遇はよかったと言います。

でも、この時のドラマー、ソニー・フリーマンとB.B.は本当に一心同体のように素晴らしいドラムを叩いてバンドを引っぱっています。

5.Help The Poor/B.B.King